1日午前10時27分頃、宮城県沖を震源とする地震が発生し、宮城県石巻市、大崎市、涌谷町で震度5強を観測した。震源の深さは51キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6・8と推定される。津波の心配はない。総務省消防庁によると、1日正午現在、宮城、福島両県で3人のけが人が確認されている。
気象庁によると、青森県階上町、岩手県釜石市、仙台市宮城野区、福島県相馬市などで震度5弱を観測したほか、北海道から近畿にかけて震度1以上の揺れがあった。
午後0時半から緊急の記者会見を開いた気象庁の束田進也・地震津波監視課長は「今後1週間程度は最大震度5強程度の地震に注意してほしい」と呼びかけた。東北地方では1日夜から2日朝に激しい雨が降る恐れがあり、土砂災害への警戒が必要としている。
各消防などによると、震度5弱を観測した宮城県女川町では、温泉施設の休憩室の窓ガラスが割れ、利用客の70歳代の夫婦2人が手指に軽いけがをした。震度5弱を観測した福島県相馬市のスーパーでは、買い物をしていた80歳代の女性が棚から落ちてきた商品を踏んで転倒し、手首にけがを負った。
このほか、仙台市青葉区や泉区で水道管が破裂し、道路に水が漏れていると通報があった。
JR各社によると、地震の影響で、東北、秋田、山形各新幹線は、一部区間で運転を見合わせている。東海道新幹線は東京―掛川(静岡県)間で一時運転を見合わせた。
原子力規制委員会は、運転停止中の東北電力女川原子力発電所(宮城県)や、廃炉作業中の東京電力福島第一原発(福島県)などの状況を確認中だが、午後1時現在、被害の報告は入っていない。
JR仙台駅では地震の直後、運行情報を確認する多くの人でごった返した。福島県南相馬市から仙台市内の病院を訪れていた60歳代の主婦は「連休初日なのにうんざり。毎月のように大きな地震が起きて怖い。どうしても震災を思い出す」と不安げだった。
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