政府は26日、都道府県別の高齢者への新型コロナウイルスワクチン接種状況を公表した。25日までに47都道府県で計7万4852回の接種が行われたことになっているが、自治体による接種記録システムへの入力が遅れており、中には入力用のタブレット端末をまだ取り寄せていない自治体もある。ワクチンは今週には全市区町村に届く見込みで、円滑に接種を進めるためにも正しい情報管理が求められている。
国民へのコロナワクチン接種は予防接種法に基づいて市区町村が実施し、それぞれ「予防接種台帳」を作るよう定められている。
一方で現在、国内で接種されている米ファイザー製のワクチンは「3週間間隔で2回接種」の必要がある。接種回数や期間を管理し、転居者や接種券の紛失者らにも迅速に対応するため、政府は台帳とは別に、国内の状況を横断的に共有できる「ワクチン接種記録システム」(VRS)を導入。自治体や医療機関に速やかな入力を求めている。
政府はVRS専用のタブレット端末を全国の自治体に送付しており、各地の接種会場で接種券に書かれた18桁の数字のバーコードを読み取れば、氏名や接種日、会場名などの情報が入力される仕組みだ。だが、今月12日にスタートした高齢者へのワクチン接種では、政府の想定通りの入力は進んでいない。
さいたま市では、これまでに約1000人の1回目の接種が終わっているが、そもそも政府にタブレットの申請をしておらず、VRSへの入力はゼロだという。市担当者は「個人情報を扱うシステムなので、導入について庁内で慎重に検討している」と説明する。
また、ワクチンを巡っては、VRSのほか、配送・在庫を管理する厚生労働省運営の「ワクチン接種円滑化システム(V―SYS=ブイシス)」もある。このため現場で混乱が生じている面もある。
栃木県足利市は、ブイシスや予防接種台帳への登録はしているものの、VRSは現在、約900人分の入力がたまっている状態だ。市の担当者は「VRSへの入力は二度手間になるので、手が回らなかったのが実情。2回目の接種が始まる前には何とか入力を終わらせたい」と話した。
静岡県内のある市の担当者からは「接種券を読み込むのにピントが合わない。使いにくく、わかりにくい残念なシステムだ」という声も上がっていた。
VRSを管理する内閣官房IT総合戦略室の担当者は「時間に余裕がない中で接種がスタートし、準備が整わない自治体があるのは確かだ」と、一部自治体の入力件数が実態を反映していないことを認めた上で、「高齢者接種が本格化する前に適切にタブレット利用を始めてもらえるよう、疑問点に細かく答えるなど支援していきたい」と話す。
からの記事と詳細 ( 高齢者へのワクチン、全国で計7万4852回の接種…記録システム入力は自治体で「差」 - 読売新聞 )
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