Thursday, April 29, 2021

ペプシが、TikTok広告のペイドメニューに注目する理由:「オーガニック投稿は時間の無駄」 - DIGIDAY[日本版]

sumibar.blogspot.com

TikTokでは、クリエイティビティは金で買えないが、注目を集めるためのリーチなら金で買える。少なくともペプシ(Pepsi)はそう考えているようだ。

相変わらずマーケターたちのあいだでは、ソーシャルメディアの有料広告を活用すべきタイミングはいつなのかというトピックは、議論が尽きない話題である。

「一部の企業は、コンテンツの制作にばかり金をかけて、配信には十分な費用を投じない」と、ペプシ(Pepsi)でデジタルトランスフォーメーション、およびマーケティングケーパビリティのグローバルディレクターを務める、アマン・マサル氏は述べている。「我々は、パワフルなコンテンツを作るだけでなく、効果をプレゼンして上層部に予算の交渉を行わなければならない」。

「定石」になる可能性がある

そのパワフルなコンテンツとして、ペプシが提案する最新のクリエイティブが#PepsiChallengeである。

ペプシがTikTokの有料広告メニューのひとつ、ハッシュタグチャレンジ(#Challenge)を活用するのは、今回がはじめてのこと。そこでマサル氏のチームは、効果を最大限に発揮するために必要な要件を、徹底的に分析した。なにしろ、ハッシュタグチャレンジはTikTokが提供するマーケティングフォーマットのなかでも、特に高価な部類に入る。2020年春の料金表を見るかぎり、英国の場合、その費用は13万ドル(約1400万円)にも及ぶ。これだけの金額を投じるのだから、成功につながるであろう要素は、すべて押さえておく必要があったのだ。

インフルエンサーマーケティングエージェンシーの、ファンバイツ(FanBytes)でCEOを務めるティモシー・アームー氏は、以下のように述べる。「TikTokは、ほかのソーシャルメディアでは提供できない規模のUGC(User generated content:ユーザー生成コンテンツ)が生み出される。これこそがTikTokとほかのプラットフォームを分かつ、明確な差別化ポイントだ。今回の取り組みが成功した場合、ハッシュタグチャレンジはペプシにとって、定石になる可能性がある」。

@berfinmis

# @pepsiglobal ile düet yapın Messi’yle eğlenceye hazır mısın? Topunu ve Pepsi’ni kap ##pepsichallenge’a katıl, eğlenceyi kaçırma ##futboludoyasıyayaşa

♬ Rotate #PepsiChallenge – Becky G and Burna Boy

効果はいまのところ好調

ペプシが実施した施策は、リオネル・メッシ、ポール・ポグバ、シャニス・ファン・デ・サンデン、ジェイドン・サンチョら、有名サッカー選手が投稿した動画に、ファンが自分のプレーを撮影した動画を付け加えて返信するというもの。これは、TikTokのデュエット機能を活用するもので、ユーザーはもとの動画を加工して、好きなサッカー選手とのコラボを楽しむことができる。動画のテーマ曲には、シンガーのベッキーGと、グラミー賞に2度ノミネートされたアフロフュージョンミュージシャン、バーナボーイがこのキャンペーンのために書き下ろした新曲『ローテイト(Rotate)』が使われている。

「我々は今後も、ハッシュタグチャレンジを継続して活用する考えだ」とマサル氏。「周知の通り、我々には過去に展開した試飲キャンペーン、『ペプシチャレンジ(TikTokにおける、今回の#PepsiChallengeとは別)』で得た資産もある。このアイデアを流用することも可能だろう」。

なお、いまのところ、この#PepsiChallengeは成功しているようだ。少なくとも表面的にはそう見える。ペプシによると、このキャンペーンはトルコ、ルーマニア、サウジアラビア、オマーン、バーレーンで展開され、総再生回数は6億100万回に達したという。また、「いいね!」の総数は4700万、「シェア」の総数は300万を突破。ファンが投稿した動画も、30万件近くにのぼる。

「動画再生回数は短期的な指標だが、このような企画を各地の支社にプレゼンする際には、良い材料となる」とマサル氏は述べている。

オーガニック投稿はあまり行わない

もちろん、マサル氏は再生回数と「いいね!」の数だけを気にしているわけではない。#PepsiChallengeのようなキャンペーンを展開する場合、ペプシのマーケティング担当者たちが、その成果を正しく理解できるよう、通常は売上増やブランド効果などの分析も実施する。

たとえばペプシによると、ある市場で行われたブランド効果の調査結果を見るかぎり、#PepsiChallengeキャンペーンは、想起と認知、ブランド差別化、知名度、ブランド連想のすべてにおいて成果を上げていたという。

「我々は、自社アカウントでのオーガニック投稿はあまり行わない。投稿するとしても、多くのフォロワーを持つジェイドン・サンチョやシャニス・ファン・デ・サンデンらのアカウントを通じてだ」とマサル氏は述べている。「マーケターはソーシャルメディアの『メディア』機能にフォーカスするべきだ。自社アカウントでのオーガニック投稿は、時間の無駄だ」。

最重要なのはブランドセーフティ

今回の取り組みは、総合的に考えて、幸先の良いスタートだといえるだろう。これから西側諸国でも同じキャンペーンを展開するとすれば、励みになる成果を上げている。マサル氏によると、西側諸国の市場では、TikTokと連携して「ブランドセーフティの保護策を敷く」といい、16歳以下のオーディエンスには広告を表示しないことを計画しているという。

マーケターたちにとっては厄介な問題だ。TikTokに登録する際、年齢は当人が自分で選択する。つまり、子どもたちがアカウントを開設する際に、実際よりもずっと高い年齢を申告することも可能なのだ。

そうなると、広告を含め、年齢制限のあるコンテンツが、規定の年齢に満たない子どもたちに配信されてしまう。この事態を回避するために、第三者が検証したデータを活用して、ターゲティングを行うことも考えている。ペプシは、西側諸国におけるキャンペーンの実施時期については明言を避けたが、現地のガイドラインにしたがって、16歳以下のオーディエンスにはターゲット広告を配信しないと保証するプランを、TikTokから購入する予定だと説明している。

マサル氏はも以下のように強調する。「どのような交渉でも、ブランドセーフティは最重要事項だ」。

[原文:‘We don’t post much organic content’: Pepsi sees TikTok as a pay-to-play platform

SEB JOSEPH(翻訳:英じゅんこ、編集:村上莞)
ILLUSTRATION BY IVY LIU

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