東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視発言の責任を取り、辞任の意向を固めたことが11日、関係者への取材で分かった。組織委が12日に開く評議員会と理事会による合同懇談会で表明する見通し。後任は日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏(84)が有力とみられる。新型コロナウイルスの影響で延期された大会は、開催に懐疑的な見方が広がる中で、開幕まで半年を切っての会長辞任という事態に発展した。
森会長は3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議委員会で、JOCが女性理事の割合を40%にする目標を掲げていることに関連し、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などと発言した。
発言は男女平等を推進する五輪精神に反し、海外メディアも速報するなど、国内外に波紋を広げた。森氏は4日の記者会見で発言を撤回し、「不適切な表現で、深く反省している。不愉快な思いをされた皆さまにはおわびを申し上げたい」などと謝罪。一方で、辞任する考えは「ありません」と否定していた。
森氏の謝罪を受け、国際オリンピック委員会(IOC)も一度「問題は決着したと考える」との見解を示し、事態の収拾を図ったが、謝罪会見での開き直りとも取れる態度もあって批判は収まらず、国内外のアスリートからも反発の声が上がったほか、東京都や組織委への抗議も相次ぎ、ボランティアや聖火ランナー辞退などの動きも広がった。
9日にはIOCが進退にこそ言及しなかったものの森氏の最近の発言を「完全に不適切」などとする声明を発表。10日には東京都の小池百合子知事が今月予定のIOCバッハ会長らを含めた4者会談について「今ここで開いてもあまりポジティブな発信にならない」と述べ、出席しない意向を示すなど、日に日に包囲網は狭まっていた。こうしたことから、森氏は大会準備への悪影響を考慮し、身を退く決意を固めたもようだ。
これまで首相や文部相(現文部科学相)などを歴任した森氏は「文教族」として知られ、日本体育協会(現日本スポーツ協会)や日本ラグビー協会のトップも務めるなど、政官財だけでなくスポーツ界にも幅広い人脈と影響力を持った。東京大会の招致にも尽力し、平成24年に政界を引退すると、同26年1月に発足した組織委の会長に就任。これまで大会準備の陣頭指揮を執ってきた。
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