製薬会社のKMバイオロジクス(熊本市)は25日、開発中の新型コロナワクチンについて、3回目の追加接種(ブースター)に使うための臨床試験(治験)を年内にも始める方針を明らかにした。同社は最も早くて来年秋の実用化を見込む。国内ではすでに2回のワクチン接種を終えた人が6割を超えているため、3回目以降の定期接種への供給を視野に開発を進める。
同社が開発しているのは、インフルエンザ用などと同じ「不活化ワクチン」。これまでの治験によると、米ファイザーやモデルナ社のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンに比べて副反応が生じにくいと同社は分析している。永里敏秋社長は「mRNAの副反応が怖いという人にも使ってもらえるのではないか」と記者会見で述べた。
生後6カ月から18歳未満に投与する「小児用」の治験も、来春にも始めたいとしている。
追加接種向けにワクチンを使う治験については、国産のmRNAワクチンを開発している第一三共も、来年1月の開始をめざすと表明している。(渡辺淳基)
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