衆院選(31日投開票、定数465)についての報道各社の終盤情勢調査が出そろった。自民は解散前の276議席から減らす可能性が高く、単独過半数を巡っては「大きく上回る」から「微妙な情勢」まで見方が分かれた。自民・公明両党では過半数を確保するとみられている。
単独過半数を割り込めば、岸田文雄首相の政権運営にも大きな影響を及ぼす。岸田首相は与党で過半数を勝敗ラインと位置付けているが、自民は2012年以降、3回の選挙で単独過半数を維持していた。
自民の単独過半数を巡る各社の分析
読売新聞は、立憲民主党は議席を増やす公算が大きく、日本維新の会は勢いを保っていると分析している。
BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは26日付リポートで、自民が単独過半数を維持する可能性は65%と分析。政権運営は当面安定するものの、40議席程度減って過半数ぎりぎりとなれば、来夏の参院選に向けて「党内では、選挙の顔としての岸田氏を不安視する声が高まる」と指摘した。
一方で単独過半数割れとなれば、政権運営は不安定化し公明党への依存度が高まるとみる。安定的な運営のためには「日本維新の会や国民民主党を閣外協力で取り込む可能性もある」との見方も示す。また甘利明幹事長など党執行部の責任問題に発展していく可能性があるという。
立憲、共産、社民、れいわ新選組の4党は、脱原発や消費減税など共通政策で合意し、候補者の一本化を進めた。外交・安全保障政策が大きく異なる野党間の連携をどう有権者が判断するかも衆院選の焦点だ。
岸田首相は27日の街頭演説で「共産党を含む政権ができたならば、どんな外交安全保障になってしまうのか」と立憲と共産の協力を批判。立憲の枝野幸男代表は、政権交代した場合でも共産から閣僚は起用せず、「政策を実現する範囲での限定的な閣外からの協力」とすることで合意したと表明している。
東京大学大学院の内山融教授はフォーリン・プレスセンターのオンラインブリーフィングで、全国289選挙区のうち、4分の3にあたる217選挙区で野党候補が一本化された効果で、立憲は「小選挙区では議席を増やす可能性が大きい」と語った。ただ「政党としての支持率が低い」ことから、比例では議席が伸びないとの見方だ。
野党では、日本維新の会が議席を増やすとみられている。 産経新聞によると、解散前の11議席から約3倍の30議席程度が視野に入るという。25日に都内で演説した大阪府知事の吉村洋文・副代表は「岸田首相は分配しか言っていない、どの道を進んで行くのか見えない」と批判し、政権との距離を鮮明にしている。
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