2021年02月18日07時05分
今夏の東京五輪・パラリンピックをめぐり、島根県の丸山達也知事が県内の聖火リレー中止を検討すると表明したことに、政府は不快感を示している。大会組織委員会の混乱が続く中、五輪開催にさらなる冷や水を浴びせられた格好で、火消しに懸命だ。
丸山島根知事、聖火リレー中止を検討 コロナ対応批判、1カ月程度で判断
政府高官は17日、丸山知事の発言について「新型コロナウイルス対策に不備があれば当然主張すべきだが、それを聖火リレーの開催条件に結び付けるのはおかしい」といら立ちをあらわにした。
新型コロナ感染拡大が続く中、東京五輪は予定通りの開催が危ぶまれている。組織委の森喜朗会長が女性蔑視発言で辞任表明したことが混迷に拍車をかけており、報道各社の世論調査でも中止や延期を求める声が根強い。
こうした中、47都道府県を回るはずの聖火リレーが一部でも中止になれば、一層のイメージダウンは必至だ。
加藤勝信官房長官は17日の記者会見で、聖火リレーについて「組織委で都道府県実行委員会と協議しつつ、感染防止策を含めて検討が進められている」と指摘。その上で、東京五輪について「引き続き安全、安心な大会の開催に向けて準備を行っていきたい」と強調した。
波紋は与野党にも広がっている。自民党の下村博文政調会長は会見で「知事の判断ということでやむを得ない」と苦渋の表情。公明党の竹内譲政調会長は「驚いている。ちょっと真意を測りかねる」と戸惑いを隠さなかった。
これに対し、立憲民主党の蓮舫代表代行は会見で「自治体の首長の発言は極めて重い」と述べ、政府側に計画見直しも含む速やかな対応を求めた。
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