大阪府の新型コロナウイルスの感染急拡大に歯止めがかからない。府は非常事態を示す「赤信号」を4カ月ぶりに点灯させた。感染防止の「切り札」として飲食店などへの営業時間短縮の要請を続けてきたが、病床は逼迫(ひっぱく)しており、さらに踏み込んだ対策を求める声も出始めた。
「医療崩壊の危機にある状況だ」
吉村洋文知事は7日の府対策本部会議でそう強調した。5日から府に適用された、まん延防止等重点措置(重点措置)を受けて、「大阪市内における不要不急の外出・移動の自粛」を求めていたが、この日の会議で対象地域を「大阪府全域」に拡大。府外への外出・移動の自粛も引き続き求めていく考えを示した。
危機感の背景には、吉村知事が「第4波」と位置付ける3月以降の感染が、かつてないスピードで拡大していることがある。
7日間ごとの新規感染者数は3月下旬以降、約2倍のペースで増加。重症患者も「第3波」では約80人増えるのに35日間かかったが、今回は15日間と期間が短くなっている。
「第3波」を受けて政府が出した緊急事態宣言が、大阪・京都・兵庫など6府県で先行解除されたのは2月末。府は感染のリバウンドを防ぐため、大阪市内の飲食店などを対象に午後9時までの時短営業の要請を継続した。しかし、府内の1日あたりの新規感染者数は3月下旬から急増した。
結局、宣言解除から1カ月で、緊急事態宣言に準じる重点措置の適用が開始。府は大阪市内の飲食店などに午後8時までの時短営業を要請し、客に「マスク会食」の徹底を呼びかけるよう求めるが、感染拡大の歯止めになるかは未知数だ。
府の専門家会議の委員からは「重点措置の効果が不十分と判断された場合、朝令暮改との批判を恐れず、速やかに緊急事態宣言を発出するなどの対応を」「このペースで患者数が増加すれば、一般外来の縮小などを行う病院が増え、地域医療に大きく影響する」との意見が寄せられた。
7日の記者会見。記者から宣言の解除要請の時期が早かったのではないかと問われると、吉村知事は、こう反論した。「(宣言解除の)2月末時点では感染者数は1日50人程度。判断自体が間違っていたとは思っていない」
ただ、取り得る対策は限定的にならざるを得ないのが実情だ。府幹部は「打てる手は、ほぼ全て打っている」と焦燥感を募らせ、吉村知事も「ほぼ緊急事態宣言(時の対応)と同じ中身を要請している。ぜひ、ご協力をお願いしたい」と繰り返し、特段の新たな対策には言及しなかった。(本多由佳)
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