Wednesday, April 14, 2021

急増する大阪の重症者、現実化する病床不足…9割変異型「入院長引く傾向」 - 読売新聞

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 大阪府で13日、新型コロナウイルスによる重症患者数が233人となり、重症病床数(224床)を上回った。重症患者のうち20人は軽症・中等症用の病院で治療を受けており、府が発表する病床使用率はかろうじて100%を下回った。府は新たに重症病床80床を確保する方針だが、変異ウイルスによる患者の増加のペースは速く、病床不足が現実のものとなってきた。

 大阪府では13日、初めて1000人を超える新規感染者数を確認した。重症患者は前日の218人から15人増加。府が確保している重症病床数は224床で初めて患者数がこれを上回る事態となった。

 ただし府が発表した重症病床の使用率は95・1%で、まだ満床には達していない。重症患者数が病床数を超えても、医療体制が持ちこたえているのは、府が緊急的な運用を求めているためだ。

 府が確保している重症病床に収容されているのは重症患者213人。それ以外の20人は、重症化した後も軽症・中等症患者を受け入れている病院で治療を継続している。

 府が6日からこの緊急対応に踏み切ったのは府内の重症患者数がかつてないペースで増えているためだ。

 「第3波」のピークの1月中旬に187人となった重症患者は、その後2か月かけて緩やかに減少。3月17日にようやく54人となり、重症病床の使用率は24・1%まで低下した。しかし緊急事態宣言解除後のリバウンド(再拡大)で増加傾向に転じると、4月2日に100人を突破。10日後には200人を超えた。

 急増の要因とされるのが、府の抽出調査で、既に感染者のうち9割から検出される変異ウイルスだ。

 府内で流行しているのは英国型。「N501Y」という変異が生じたウイルスで、従来型より感染力が最大1・7倍とされる。しかも府の分析では、変異ウイルス感染者の重症化する割合は、40歳以上が10・7%、60歳以上が22・7%。それぞれ従来型より5・2ポイント、13・9ポイントも高い。

 また「重症化のスピードが速く、入院期間が長引く傾向がある」(府幹部)ともされ、医療体制を圧迫している。

 府は4月に入り、軽症・中等症病院での重症患者の受け入れのほかにも、相次いで医療機関に新たな対応を求めている。

 6日には、府内の医療機関全体で重症患者用の病床計100床を追加確保するよう求める緊急要請を実施。また12日には重症患者らを受け入れる約60の基幹病院に、不急の入院や手術を延期したり、救急患者の受け入れを一部制限したりすることも求めた。

 府内には約500のICU(集中治療室)があり、これまで約200がコロナの重症病床に使われてきた。手術の延期などで、より多くのICUをコロナ用に割くことができるようになるという。

 これらの要請で、府は今後、大学病院などで計80床増床できると見込む。しかし現段階で患者の受け入れ準備が整ったのは3床で、残りがいつから使用できるかは見通せない。

 4月下旬には重症患者が300人を超えるとの見通しもある。吉村洋文知事は13日、「極めて厳しい状況だ。1日も早く病床を空けていただくようにお願いしたい」と各病院に改めて呼びかけた。

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