世界一を死守したスーパーコンピューター富岳=理化学研究所提供
理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「富岳(ふがく)」が、17日に公表された計算速度を競う世界ランキングで首位を維持した。富岳が世界一になるのは今年6月に続いて2期連続。新型コロナウイルス感染症の治療薬探索などに活用が期待されている。
世界ランキングは毎年6月と11月に公表される。公表された最新版で、富岳は1秒あたり44.2京(京は1兆の1万倍)回の計算速度を達成した。搭載する高性能CPU(中央演算処理装置)がすべて動くようになり、前回に比べて計算速度は約3京回向上し、2位の米国「サミット」(同14.8京回)をさらに引き離した。3位は米国、4位は中国のスパコンで同じ。5位に前回7位だった米国の別のスパコンが入った。
富岳は2011年に世界一となった「京(けい)」の後継機で、15万個を超えるCPUを使って計算する。前回のランキングで国産スパコンとしては8年半ぶりに世界一を奪還した。
世界ランキングでは、産業用アプリケーション(応用ソフト)の実行性能を測る「HPCG」や人工知能(AI)に関する計算性能を測る「HPL-AI」なども公表され、富岳は3つの分野でも首位を獲得した。計算速度を競う「TOP500」を含めて、2期連続の4冠を達成した。
富岳は21年度からの本格運用に向けて試験が進んでおり、システムはほぼ完成している。すでに理研が大学などと共同で進める研究で活用されており、新型コロナウイルス感染症の薬候補の探索や、ウイルスがせきなどで飛び散るシミュレーション(模擬実験)などで成果を出している。
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