全国知事会は緊急提言と「第3波警戒宣言」を議論した(東京都千代田区の都道府県会館)
全国知事会は23日、政府が観光需要喚起策「Go To トラベル」事業の一部制限に踏み切る方針を示したことを受け、国への緊急提言をまとめた。各都道府県が感染状況を4段階の指標で2番目に深刻な「ステージ3」相当と判断した場合、政府として「トラベル」からの除外を判断するよう求めた。
対象地域の詳細など具体的な制度概要についても、政府が早急に明示するよう求めた。
知事会としては、地域内の感染・医療状況を考慮し、各都道府県がステージ3相当と判断するが、最終的には政府の責任で除外を決定すべきだとの立場だ。知事会関係者は「国が創設した事業である以上は、除外対象も都道府県に丸投げせず、国の責任で決めるべきだ」とした。
午前9時からオンライン形式で始まった新型コロナウイルス緊急対策本部会合の冒頭、飯泉嘉門会長(徳島県知事)は「我々はステージ3を視野に入れた対応が求められる。地域を絞った形で強力、効果的な対策を打ち出したい」と強調した。
国への緊急提言では、トラベル事業中止に伴うキャンセル料などの財政支援、事業者や利用者の混乱回避に向けた対応を求めた。外食需要喚起策「イート」事業の利用制限については、各都道府県の感染状況に応じて柔軟に適用できるよう要望。対象地域の除外や事業を中止した場合、事業期間の延長なども要求した。
出席した知事からは、「トラベル」の一時停止などについての意見や政府に具体策の説明を求める声が相次いだ。
茨城県の大井川和彦知事は「県内でも地域によって(感染状況の)様相は異なっている」と指摘。「トラベル」の対象地域から除外する場合には「きめ細かい対応が求められる」として、都道府県単位ではなく地域を絞った対策の必要性を強調した。
香川県の浜田恵造知事は「トラベル事業が始まった時は東京都発着の旅行は除外されていた。(感染拡大地域を出発地とする場合の規制も)セットなのかどうか確認する必要がある」とした。
自治体の営業時間短縮要請を巡り、国は地方創生臨時交付金で500億円を追加配分するが、国が財政支援する店舗数は各都道府県内にある飲食店の2割までとする方針だ。兵庫県の井戸敏三知事は「2割だと一部で終わってしまう。500億円では全然足りない」と述べ、交付金の上積みを要求した。知事会も必要に応じて予備費の活用など切れ目のない財政措置を求めた。
会合では国民向けの「第3波警戒宣言」もまとめ、知事会として「新型コロナ警戒体制」に入ることを表明した。感染拡大の防止のため、食事中を含むマスクの着用や、年末年始の帰省や旅行、初詣の分散を呼びかける内容だ。
同日の会議は30道府県の知事らがネット中継で参加し、「Go To」事業の取り扱いや都道府県間の相互応援などの態勢強化などについて協議した。
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