Sunday, August 2, 2020

女の気持ち:ベーカリーと私 宮城県石巻市・松川康子(パート・53歳) - 毎日新聞

 小学校高学年のころだっただろうか。自宅から10分ほどのところに「純情」という、まるで純喫茶のような名前の店ができた。初めて「ベーカリー」というものを認識したその店に、よく通った。

 「純情、行ってくる」

 4人も入ればいっぱいの店に、小遣いをため毎回1人で出かけた。自ら選んだパンをトレーに載せていく行為が、スーパーの袋入りのパンしか知らなかった私にとっては、とてもワクワクする大人びたものに感じられた。

 中でも大好きだったのが、デニッシュ生地が何層にも重なったハート形のパンだ。帰宅するなり、パン生地の層を帯をほどくようにはがしながら、上に散らされたザラッとした砂糖ごと食べ進めていく。将来はベーカリーで働きたいなあと、ぼんやり夢見たのはこのころだ。だが、店はそう長くは続かず、同様に私も夢を忘れてしまった。

Let's block ads! (Why?)



"ベーカリー" - Google ニュース
August 03, 2020 at 12:01AM
https://ift.tt/2Pk4SjK

女の気持ち:ベーカリーと私 宮城県石巻市・松川康子(パート・53歳) - 毎日新聞
"ベーカリー" - Google ニュース
https://ift.tt/2LM61iL
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Share:

0 Comments:

Post a Comment