航空自衛隊小松基地を離陸直後に墜落したF15戦闘機の捜索は4日、羽咋市の千里浜海岸まで範囲を北上させて行われた。岸信夫防衛相は同日の閣議後会見で、新たに機体右側の水平尾翼、燃料配管の一部が見つかったと説明。ただ、乗員2人は依然として行方不明で、海上自衛隊はイージス艦「みょうこう」などを投入して洋上、海中を、陸上自衛隊は海岸線を見回り、手掛かりを捜した。
機体がレーダーから消えたのは基地から約5キロの洋上。現場周辺ではこれまで機体の外板や救命装備品などが見つかったが、機体の所在は分かっていない。岸防衛相は会見で「2人の人命救助に全力を尽くす」と強調した。
陸自金沢駐屯地は3日に続いて隊員約50人を海岸線に派遣、空自隊員に加わり捜索範囲を加賀市から羽咋市にまで広げた。宝達志水町の千里浜なぎさドライブウェイ今浜口では、隊員が5人ずつに分かれて機体の部品などがないかを確認した。小松市の安宅海岸ではスポンジ状の物体などが回収された。
海自は潜水艦救難艦「ちはや」に加え、掃海艇が海中の捜索を始めたという。海上保安庁の巡視船なども捜索に当たった。
F15は1月31日午後5時半ごろ離陸後、右方向に旋回してレーダーから消えた。飛行教導群の群司令、田中公司1等空佐(52)と同群の植田竜生1等空尉(33)が搭乗していた。
●防衛相、訓練再開は「地元の理解得て」
岸防衛相は、点検や操縦者の教育を実施し、地元の理解を得られた基地から飛行訓練を再開するとした。小松基地は「点検や教育が終了していないので実施していない」と述べた。緊急発進(スクランブル)など任務の飛行は継続する。ロシア軍の哨戒機「IL-38」2機が2日、日本海を長距離飛行したため、空自の戦闘機を緊急発進させて監視したと明らかにした。
●原因究明まで訓練中止を周辺協要請、防衛局と基地に
小松基地周辺105町内会でつくる小松飛行場周辺整備協議会は4日、近畿中部防衛局と同基地に対し、安全確保と原因究明までの飛行訓練中止を求めた。小松市役所で防衛局の本多浩三企画部長に申し入れた小前田彰会長は、乗員2人の発見を願い「早急に安全対策を進めてほしい」と話した。本多部長は「基地司令とも連携して対応に当たる」と述べた。周辺協は基地で石引大吾司令にも申し入れた。
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