東京五輪の聖火リレーの県内での開催中止を検討している島根県の丸山達也知事は19日、県庁で記者会見し、問題視した政府や東京都の新型コロナウイルス感染症への対応について「今のところ改善の兆しはない」として、解決に向け関係省庁や地元選出の国会議員に要望書を提出する考えを示した。 【動画】島根知事、聖火リレー中止検討
▽「これだけ死者がいて改善点はないのか」
要望書は、政府や東京都の新型コロナへの「対応力強化」や、感染症が少ない地域の飲食業者への「公平な支援」を求める内容で、関係部局で文面や日程を調整中。東京都の小池百合子都知事に対しては「しっかり対応しているというが、これだけ死者がいて改善点は本当にないのか」と強調しつつ、「都が自らやるべきことだ」として直接要望するつもりはないとした。 自民党竹下派の竹下亘会長=衆院島根2区=が「知事を呼び、注意をしないといけない」などと発言したのに対しては、「(竹下氏が)病気療養などで地元に帰る機会が限られ、県内の状況を理解されていない」と指摘。「中止検討の表明に当たって説明していなかったのは私の不手際」として「上京してきちんと説明する」とした。
▽「公費かける事業、一切公開できない協定ありえない」
また、県と大会組織委員会が締結する協定の解除規定に基づき聖火リレーを中止できるとした丸山知事の発言に「協定は秘密保持が原則のはず」と違和感を示した組織委に対し、「公費をかける事業で一切公開できない協定はあり得ない」と反論。「契約違反と言いたいのだろうが脅しだと思っている。こういう協定を結ばせるなら、ろくでもない組織だ。公益財団の認定を取り消してもらいたいくらい」と激しく批判した。 丸山知事は17日、政府や東京都の新型コロナへの対策に不満を訴え、5月に県内14市町村を通る聖火リレーの中止検討を表明。対応を約1カ月程度見て最終判断する。
中国新聞社
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