緊急事態宣言の対象区域に追加された福岡県の小川洋知事は13日夜の記者会見で、「国の判断が示された以上、一日も早く感染拡大に歯止めをかける」と語った。「医療体制は維持できている」との考えから、これまで緊急事態宣言の発令には消極的だったが、感染者が増加傾向にある現状に、政府の求めを受け入れざるを得ない状況に追い込まれた。
「(政府と)認識が違っていたのかもしれない」。13日の記者会見で、知事はこう語った。これまで「厳しい措置は長続きしない」として、時短営業の要請など踏み込んだ措置には慎重な姿勢を貫き、1都3県に緊急事態宣言が出された翌8日も、宣言の要請には「総合的な判断が必要」と述べていた。
そうした知事の考えは12日、西村経済再生相から直接かかってきた電話によって一転した。西村氏からは、直近1週間の感染者数が前週より倍増した点を指摘され、福岡県を宣言の対象区域に追加する意向が伝えられたという。
同県の感染者は6日に300人を超え、7日に過去最多の388人に上った。12日現在で確保している病床の使用率は73・0%に達し、直近1週間の感染経路不明者の割合は53・9%に上る。
一方で、感染ピーク時に確保を想定した重症者向けの病床使用率は、低く抑えているとの自負があった。12日現在の使用率も、「ステージ3」の水準(20%)を下回る17・3%(12日現在)。こうした現状から、知事は「時間をかけて判断したい」と求めたが、西村氏は「福岡県や九州全体の状況を踏まえると、短期集中で対策を講じ、拡大を抑え込む必要がある」として応じなかったという。
13日の会見で、小川知事は「国としては(福岡県が)ステージ4という判断。我々も国の判断を受け止めたい」と強調した。ただ、県幹部は「(知事の)判断が遅かったと見られても仕方ない」と語った。
「感染状況の分析が甘かったのか」。記者会見でこう問われた知事は、「そういうことには当たらない」と否定。「大都市圏からの感染拡大を防ぎたいのが宣言の眼目だ」と述べ、あくまで国全体での取り組みに足並みをそろえたとの考えを強調した。
福岡市の高島宗一郎市長は13日夜の記者会見で、緊急事態宣言の対象区域とする意向が西村氏から小川知事に伝えられたことについて、「地域によって実情は異なり、感染者数だけでは分からない。首長の判断が大事になるのではないか」と述べ、国の対応に疑問を呈した。「私としては、市民や県民に行動制限をお願いする地方に、権限、財源を渡していただくことが大事だと思う」とも語った。
また、15億円規模の市独自の経済支援策を行う方針を明らかにした。テイクアウトに取り組む飲食店に20万円、感染予防策を講じる宿泊事業者に最大50万円をそれぞれ支給することなどを盛り込んでいる。
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