政府と日本学術会議の間で人事の事前調整がなかったのが、会員候補6人の任命拒否の理由だとする菅義偉首相の国会答弁を巡り、当時会長だった
◆官邸が「うわさ」として注文、山極氏「忖度したくない」
5日の参院予算委員会で、菅氏は「以前は正式な名簿の提出前に、内閣府の事務局などと会議の会長との間で一定の調整が行われていた」と発言、「(任命拒否があった)今回は推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らない者が生じた」と述べた。会議による候補推薦の法的位置付けについても「推薦を尊重しつつも任命権者として判断する」と、首相に裁量の余地があるとの認識を示した。
これに対し、山極氏は「(内閣府日本学術会議事務局の)事務局長は105人の(推薦者)名簿を提出前に杉田さんに見せていると思う」と指摘。その上で「(官邸側から)何か言われたとの話が伝わってきたが、直接言われていない。官邸側が『うわさ』として注文を付けて、こちらが名簿の構成を変えれば、官邸は『何も言っていない。会議が自主的にしたことだ』と言うだろう。そんな忖度はしたくない」と、会員の選定人事に介入しようとした官邸側の姿勢を批判した。
◆大西氏も「事前に調整したこと一切ない」
一方、菅氏から「一定の調整が行われていた」と指摘された大西氏も取材に応じ、「官邸に事前説明はしたが、要望を受けて選定過程も含め、事前に何かを調整したということは一切ない」と反論、「2016年の補充人事では官邸が難色を示したが、選考委員会で議論し『官邸の要望は受け入れられない』と判断したまで。調整をしたとは思っていない」と回答した。
大西氏と同時期に選考委メンバーだった別の幹部も「首相は、調整は会長と『内閣府の事務局』との間で行われたと言っているが虚偽だ。会長と事務局が人事で実質的なやりとりをすることはあり得ず、相手はあくまでも杉田副長官。杉田氏を表に出さないために『事務局など』と姑息な説明をしている」と指摘した。
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