Tuesday, March 8, 2022

ウクライナは紛争当事国じゃない? 自衛隊の防弾チョッキ特例で提供 防衛装備移転三原則の歯止めどうなる - 東京新聞

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 政府は8日、国家安全保障会議(NSC)を持ち回りで開き、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナに自衛隊保有の防弾チョッキなどを送ると決めた。特例的に「防衛装備移転三原則」の運用指針を改定した。交戦中の国に対する装備品提供は極めて異例。自民党内には中国と台湾の武力衝突も念頭に、武器提供も可能にする運用拡大を求める声があり、専門家は歯止めがなくなることを懸念する。(川田篤志、山口哲人)

◆三原則の運用指針を改定、国会審議必要なく

 ウクライナの要請を受けて無償提供するのは、法令で防衛装備品と規定される防弾チョッキのほか、ヘルメットや防寒服など。一部を載せた自衛隊機は、愛知県の航空自衛隊小牧基地から隣国のポーランドに向け出発した。

 NSCでは三原則の運用指針を改定し、輸出先として「国際法違反の侵略を受けているウクライナ」を特例的に追加した。指針の改定には閣議決定や国会審議は必要ない。岸信夫防衛相は同日夜、「国際社会と結束して毅然と行動することはわが国の今後の安保の観点からも極めて重要」と説明した。

◆自民議員「台湾有事起きれば、弾薬も」主張

 憲法で平和主義をうたう日本は1960年代後半に「武器輸出三原則」を打ち出し、禁輸政策を採用。だが、第2次安倍政権は2014年、「防衛装備移転三原則」に転換し、国際平和への貢献や日本の安保に資する場合、紛争当事国向けなどを除いて輸出を解禁した。今回、ウクライナは国連安全保障理事会による対応が講じられていないことを理由に、紛争当事国には当たらないと認定した。

 8日の自民党会合では、輸出先をウクライナに限らず「国際法違反の侵略を受けた国、地域」に広げるべきだという意見が出た。また、中堅議員は取材に「台湾有事が起きれば、弾薬も送るべきだ」と主張した。松野博一官房長官は記者会見で、今回の運用指針改定は「ウクライナを念頭に置いたもの」と述べ、さらなる対象拡大を否定した。

 武器輸出に関する著書がある名古屋大の池内了名誉教授は「運用指針を変えれば、いくらでも武器の供与を拡大できる仕組みだ。今後、どんどん歯止めがなくなっていく」と批判した。

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