自民党は、菅首相(党総裁)が支援した小此木八郎氏が惨敗した横浜市長選(22日投開票)の影響を抑え込もうと躍起になっている。市長選では、無党派層への支持に広がりを欠き、若手からは「首相のもとで衆院選は戦えない」との悲鳴が上がる。自民党執行部は、9月の総裁選で活発な論戦を交わし、局面打開につなげたい考えだ。
「地方自治における選挙の結果が、国政に反映することはない」
自民の森山裕国会対策委員長は23日、国会内で記者団に、市長選の結果は政権運営に影響を与えないとの認識を示した。別の党幹部も「影響は限定的だ」と強調した。
首相のお膝元での市長選は、首相の盟友の小此木氏が立憲民主党推薦の山中竹春氏に約18万票の大差で敗れた。小此木氏の得票は、市内全18区のうち、首相の選挙区である衆院神奈川2区を構成する三つを含む17の区で山中氏を下回った。
自主投票で臨んだ自民は、市議36人中6人が現職の林文子氏の支持に回った。小此木、林両氏の得票を足すと山中氏を上回る結果に終わり、自民市連会長の坂井学官房副長官は22日夜、「党推薦を出せず、まとめきれなかった」と敗因を分析した。
読売新聞の出口調査によると、無党派層の投票先は山中氏が4割強で、小此木、林両氏は1割ほどに低迷。小此木氏は自民支持層の投票先でも4割弱にとどまった。無党派層の動向は衆院選でも勝敗を左右する可能性が高い。若手の間では、首相を「選挙の顔」とすることを不安視する声が広がっており、党内からは「このままでは衆院選では都市部で壊滅的な敗北を喫しかねない」との声が漏れている。
逆風の中で、党執行部が活路を求めるのが総裁選だ。事実上の首相を決める場となるだけに、国民の注目度は高い。各候補の討論会などがメディアで取り上げられる機会も多く、首相周辺は「総裁選で新政策を打ち出し、勝利すれば求心力が回復する」とみる。
対抗馬擁立に向けた動きも今後、激しくなりそうだ。昨年の総裁選に出馬した岸田文雄・前政調会長には23日、出馬を促す声が多く寄せられた。出馬を目指す下村政調会長は同日、同じ細田派所属の世耕弘成参院幹事長と面会した。関係者によると、支持の取りつけには至らなかったという。
自民が野党に転落する前の麻生内閣時代には、党内で退陣要求が公然と出た。今回も「首相以外なら誰でもいいので代わってほしい」と首相交代を期待する若手はいるが、現時点では表立った「菅降ろし」には発展していない。首相に近い閣僚経験者は、「地元活動をおろそかにしてきた若手が、衆院選を前に右往左往しているだけだ」と苦言を呈している。
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