アフガニスタンから日本大使館や国際協力機構(JICA)の外国人スタッフらを連れ出す日本政府の「退避作戦」は、失敗に終わった。想定外の速さで首都カブールが陥落するなか、自衛隊派遣の決断の遅れが響いた。
イスラム主義勢力タリバンによって、アフガニスタン第2の都市カンダハルが陥落したのは8月13日。そのころ、外務省内では「カンダハルから(首都)カブールはすぐ着く距離ではない。2、3日で事態が急転することはない」(幹部)との見方が強かった。
一方で、8月上旬からは日本大使館やJICAの現地スタッフをどう退避させるかの検討を始めていた。「米軍撤退後はまずい状況が生じる」(同省幹部)との危機感からだ。配偶者と子供を含めて約500人規模を民間チャーター機で送り出す算段だったが、14日には外務省から防衛省に対し、自衛隊機派遣を依頼する可能性を伝えていた。
茂木敏充外相は15日午前、当初の計画通りに10日間の中東歴訪へと出発。首都カブールではその日、タリバンが大統領府を制圧。ガニ大統領は国外脱出した。侵攻の速度について、別の外務省幹部は「見誤った」と語った。
大使館員「助けたいが間に合わなかった」
カブールの日本大使館は即日…
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