Friday, June 25, 2021

衆院小選挙区「10増10減」 東京5増、10県で減―アダムズ方式初適用 - 時事通信ニュース

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2021年06月26日07時14分

【図解】衆院小選挙区の新定数配分

【図解】衆院小選挙区の新定数配分

 2020年国勢調査の速報値の公表を受け、「1票の格差」是正に向けて16年の法改正で導入が決まった「アダムズ方式」に基づく衆院議員定数の新たな配分が固まった。同方式の適用は初めて。小選挙区数は東京で5増える一方、福島、和歌山、山口など10県で1ずつ減り、全体で10増10減となる。格差は違憲判断の目安とされる2倍を下回り、最大1.695倍まで縮小する。

地方の定数減、自民直撃 公選法改正、難航必至―衆院選

 衆院議員選挙区画定審議会は近く、新たな定数配分に基づく区割り案の検討を始め、1年以内に政府に勧告。政府は来年前半にも勧告を反映した公職選挙法改正案を国会に提出する。新たな定数配分と区割りは早ければ次々回の衆院選から施行する想定だが、定数減となる10県の現職議員を中心に不満が出ており、先行きは不透明だ。
 現在、都道府県への小選挙区数の割り振りは、まず1議席を割り当てる「1人別枠方式」を採用。今秋の見通しの衆院選は現行の定数配分で行われる。速報値によると、289ある衆院小選挙区の1票の格差は、人口最多の東京22区(57万3969人)と最少の鳥取2区(27万4160人)の間で、最大2.094倍に拡大。鳥取2区との格差が2倍以上の小選挙区数は20に上る。
 加藤勝信官房長官は記者会見で「審議会の勧告を踏まえて速やかに必要な法制上の措置を講ずる」と表明。大島理森衆院議長は「選挙制度は不断に見直していくべきだ」とのコメントを出した。
 10増10減で定数が増えるのは、5増=東京(25→30)▽2増=神奈川(18→20)▽1増=埼玉(15→16)、千葉(13→14)、愛知(15→16)の5都県。
 一方、1減となるのは、宮城(6→5)、福島(5→4)、新潟(6→5)、滋賀(4→3)、和歌山(3→2)、岡山(5→4)、広島(7→6)、山口(4→3)、愛媛(4→3)、長崎(4→3)の10県。東日本大震災の被災地などの定数が減り、首都圏への配分が大幅に増える形となる。
 比例代表の定数176もアダムズ方式に基づいて再配分される。全国11ブロックは3増3減となり、内訳は2増=東京(17→19)▽1増=南関東(22→23)▽1減=東北(13→12)、北陸信越(11→10)、中国(11→10)。
 速報値によると、参院では「合区」を含む45選挙区の1票の格差は最大3.026倍に拡大。格差是正を求める声が強まりそうだ。

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