来月開幕する東京五輪や新型コロナウイルスへの対応が最大の争点ではあるが、課題はそれにとどまらない。首都の未来をどう描くか、幅広い議論を期待したい。
東京都議選が告示された。小池百合子知事が創設した地域政党・都民ファーストの会が勢力を維持するか、4年前、過去最低の議席に沈んだ自民党が公明党とともに過半数を獲得するかが焦点だ。
前回は、小池知事が自民党との対決姿勢を貫き、都民ファーストを圧勝に導いた。今回は告示直前に体調を崩したこともあり、支援を明確にしていない。政府や自民党への配慮との見方もある。
都議選は、秋までに予定される衆院選の前哨戦と位置づけられている。菅内閣の支持率は、発足時の74%から半減した。都議選の結果は、首相の求心力にも一定の影響を与えるとみられている。
今回は、新型コロナ対策が最大の関心事だろう。東京の緊急事態宣言は解除されたものの、感染状況は予断を許さない。飲食店などへの度重なる休業や時短の要請で疲弊している人は少なくない。
各党は、感染防止策や経済対策を公約に掲げている。都民の不安を
五輪は、各党の立場の違いが鮮明である。無観客を条件に掲げる都民ファーストに対し、開催を前提とする自公は公約に明記しなかった。共産党は中止、立憲民主党は延期か中止を訴えている。
政府や都は、観客を入れた五輪開催を決めている。各候補は、都民の安全をどう確保するのか、具体策を示してほしい。
都議会は本来、都の政策や予算を監視する役割を担うが、「知事の追認機関」にすぎないとの批判もある。この4年間、小池都政のチェック機能を果たしてきたか。都議選は、都議会の役割についても議論する機会となるはずだ。
コロナ禍で公開討論会の中止が相次ぐなど選挙活動が制約されている。都政の課題は、少子高齢化や首都直下地震への対応など多岐にわたる。こうした問題にも関心を持ち、1票を投じてほしい。
今回は、新型コロナの流行に伴い、自宅療養者らの郵便投票が全国で初めて実施される。
外出を制限されている人の投票機会を確保するため、環境が整えられた意義は大きい。各選挙管理委員会は制度を周知するとともに、なりすまし投票などの不正を防ぐ対策を講じる必要がある。
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日本
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