政府は、新型コロナウイルス対策として10都道府県に発令している緊急事態宣言のうち、沖縄県を除く9都道府県について、今月末までの期限を延長する方向で調整に入った。感染状況の改善が不十分なためで、今週中にも専門家の意見を聞いて延長の可否を決定する予定だ。 【動画】大規模接種始まる、防衛省が会場公開
複数の政府関係者が23日、明らかにした。
宣言発令中の北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県のうち、東京や大阪などで新規感染者数が減少傾向にあるものの、医療提供体制は厳しい状況が続く。今月16日から宣言の対象地域に追加された北海道などでは感染者数がなお増加傾向にあり、「今のままでは解除は難しい」(首相周辺)情勢だ。宣言が延長された場合、4月25日から期間がスタートした東京、京都、大阪、兵庫の4都府県は再延長となる。
これに関し、加藤官房長官は23日のNHKの番組で、今月末までの期間を延長する可能性に言及した。解除した上で、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」に移行するか、「宣言を一定程度しながら、かなり(感染状況が)改善されたら普通の状態に戻すのか、議論したい」と述べた。
対象地域の知事からは、「今の段階で解除を議論できるような状況ではない」(大阪府の吉村洋文知事)などと期限内での解除に否定的な意見が出ている。
延長幅について政府内では、沖縄県の期限である6月20日にそろえる案が浮上している。それより短い同13日までとする案もある。
加藤氏は同番組で、「地域ごとに(期間が)バラバラなのはどうかという議論は当然出てくる。一定程度、固まりの中で判断していく」と述べ、そろえる可能性にも言及した。
一方、政府内では、宣言と重点措置で取れる対策に大差はないことから、改善がみられる地域のみ解除して、重点措置に移行すべきだとの意見がある。政府は、9都道府県の感染状況を注視しながら慎重に検討する考えだ。
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