爪水虫などの治療薬約9万錠に睡眠導入剤成分が混入し、製造した製薬会社「小林化工」(福井県あわら市)が自主回収している問題で、同社は12日、薬を服用して首都圏の病院に入院していた70歳代女性が10日に死亡したと発表した。死者が確認されたのは初めて。同社は死亡と服用の因果関係などを調べており、12日午後、小林広幸社長が問題について謝罪した。
同社は問題の錠剤を処方された大阪府など31都道府県の患者364人を特定、服用しないように求めた。11日午前0時現在、133人が健康被害を訴え、入院したか救急搬送された患者は34人(退院者を含む)に上る。車を運転中に意識を失うなどして起きた物損事故も16件確認されている。
同社によると、薬は「イトラコナゾール錠50『MEEK』」で、服用には医師の処方箋が必要。今年9~12月の出荷分に、1錠あたり5ミリ・グラムの睡眠導入剤成分「リルマザホン塩酸塩水和物」が混入していた。
福井県によると、同社は製造の過程で減った薬の成分を補充しており、その際に従業員が誤って睡眠導入剤の成分を混入したという。県は、医薬品医療機器法違反の可能性があるとみて調査している。
1錠に混入された睡眠導入剤成分は1回あたりの最大投与量の2・5倍。1日8錠服用する人もおり、その場合は20倍に相当する。大量に服用すると、副作用のリスクが高まり、意識がもうろうとするなどの状態に陥る恐れもあるという。
船山信次・日本薬科大特任教授(薬学)は「亡くなった患者の状態を可能な限り明らかにする必要がある」と指摘している。
小林社長は混入について「重大な過失を犯し、深くおわびする」と話した。問い合わせは同社学術部(0120・093・291)。
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