当初の予想よりも、降雪の範囲が広がるおそれがあります。年末から年始にかけては、日本海側だけでなく、九州南部など普段あまり雪の降らない太平洋側の地域でも、雪の降る可能性があり、早めの備えが必要です。
広範囲で大雪のおそれ
日本付近は、30日頃から1月1日(元日)頃にかけて強い冬型の気圧配置となり、その後も断続的に冬型の気圧配置が続く予想です。北海道や東北の日本海側、北陸、山陰を中心に、平地を含め、大雪となるおそれがあります。 気象庁が24日に発表した早期天候情報によると、降雪量(5日間)が平年よりも約2倍~3倍となる地域もあるとみられ、警戒が必要です。 各地で風も強まるため、大荒れの天気となる所もあるでしょう。
太平洋側でも降雪、気温も真冬並み
日本海側にとどまらず、九州南部など太平洋側の平地でも雪が降る可能性があり、場所によっては積雪になるとみられます。 最新の予想をみると、きのうの時点に比べ、30日頃から日本付近に流れ込む強い寒気が、より南下する見込みに変わりました。雪が普段降ることのない地域でも、雪への備えをしておいたほうが良さそうです。 また、元日を中心に気温もグッと下がる予想で、東京や名古屋などでも、朝は霜が降りたり、氷が張るくらいの寒さになります。路面の凍結などにも注意が必要です。
先日の大雪以上の影響も
年末年始に予想される寒気は、先日14日~21日の群馬県や新潟県を中心とした大雪のときよりも強いとみられます。 また、2010年~2011年にかけては、同じ「年越し寒波」で鳥取県を中心に記録的大雪となって、車が約1000台立往生しました。 このときと比べても、上空約1500メートル付近の寒気は今回の方が強いと予想されています。 一方、日本海の海面水温をみても、年明けにかけては平年よりも高めで推移する見込みで、強い寒気が南下すると、雪雲が発達しやすい状況となっています。 そのうえ、日本海で風がぶつかることで帯状に発達した雪雲が連なる、「JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)」と呼ばれる現象が発生することも考えられます。この雪雲が陸にかかると、山沿いや平地にかかわらず、局地的な大雪が発生し、大規模な災害が発生することもあるため、より一層の警戒が必要です。
年末年始の移動は慎重に
年末年始は広く雪が降り、大雪、大荒れとなるおそれがあります。移動の際には、最新の気象情報や交通情報を確認してください。 特に、この時期は車を利用する機会が増えます。雪に慣れていない地域はもちろん、雪に慣れている地域でも車の運転には注意が必要です。 状況によっては、外出を控える、移動手段を変更することも検討して下さい。
日本気象協会 本社 佐藤 匠
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