Monday, July 4, 2022

【ひふみんEYE】藤井聡太棋聖あえての先手同玉「よくぞ」感心 小技も効き玉つかまらず勝勢に - ニッカンスポーツ

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感想戦を行う藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)
感想戦を行う藤井聡太棋聖(日本将棋連盟提供)

<ひふみんEYE>

藤井聡太棋聖(竜王・王位・叡王・王将=19)が永瀬拓矢王座(29)の挑戦を初めて受ける、将棋の「第93期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第3局」(産経新聞社、日本将棋連盟主催)が4日、千葉県木更津市「龍宮城スパホテル三日月」で行われた。午前9時から始まった対局は、先手の藤井が午後7時14分、145手で永瀬を下した。これで対戦成績を2勝1敗として、3連覇まであと1勝とした。「ひふみん」こと、加藤一二三・九段の「ひふみんアイ」をお届けします。

   ◇   ◇   ◇

長手数の大熱戦でしたが、藤井棋聖の研究に「一日の長」がありました。腰の重い永瀬王座にペースを乱されないよう、手堅く局面を進めていました。

ディフェンス面で目立ったのは、106手目後手7七金に対する応手でしょう。悩ましい局面で先手同桂もありましたが、あえて先手同玉と頑張りました。「よく玉で取った」と感心しました。

以下、永瀬王座の攻めは続きましたが、うまく上部に脱出して決定打を与えてはいません。125手目に先手8二とと引いて、後手8一飛と回る手を封じながら、8三にある銀にも働きかけています。この小技で藤井玉はつかまらず、勝勢になったと言えましょう。

5番勝負で1勝2敗のかど番はつらいです。永瀬王座もタダでは転ばないでしょうが、2勝1敗とリードした側の心理として、第4局で局面が互角なら「自分が勝てる」と、より積極的に指せます。見応えのある一戦を引き続き期待します。

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