2021年08月08日20時30分
送検される対馬悠介容疑者（右）＝８日午前、東京都世田谷区の成城警察署
東京都世田谷区の小田急線車内で乗客１０人が刃物で切り付けられるなどして重軽傷を負った事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳対馬悠介容疑者（３６）が調べに対し、「乗客を殺せず悔しいが、逃げ惑う姿を見ることができ満足だった」と話していることが８日、捜査関係者への取材で分かった。
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対馬容疑者は「自分の人生はうまくいかない」とも供述。警視庁成城署捜査本部は、境遇への不満から無差別に乗客を襲撃したとみて、詳しい動機を調べている。
対馬容疑者は６日夜、成城学園前―祖師ケ谷大蔵間を走行中の快速急行内で刃物を振り回すなどして、乗客の男女１０人に重軽傷を負わせた。このうち最初に襲撃した都内在住の女子大学生（２０）に対する殺人未遂容疑で、７日に逮捕された。
捜査関係者によると、対馬容疑者は女子大学生を襲撃した理由について、「若い女の子でピンク色の服を着ていた。勝ち組だと思った」と話しているという。「女性や幸せそうなカップルが憎い」という趣旨の供述もしており、捜査本部は特に女性への恨みがあったとみている。
対馬容疑者は青森県五所川原市出身で、幼少期に東京都世田谷区に転居。都立高校を卒業後、中央大に入学したが中退した。その後は人材派遣会社に登録し、コンビニやパン工場などで働いていたという。親族は捜査本部に対し、「（同容疑者は）コミュニケーションに少し難があった。本人は大学中退を気にしていた」と説明している。
捜査本部は８日、対馬容疑者を送検し、川崎市内の自宅を家宅捜索した。ノートパソコンや携帯電話などを押収し、解析を進める。 
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