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能登半島地震で甚大な被害に見舞われた上下水道などのインフラ復旧作業は、東京都をはじめ全国の自治体から派遣された職員や民間業者に支えられている。石川県輪島市など半島の6市町では28日現在も2万戸近くが断水。生活再建の妨げとなっており、一日も早い復旧に向けた懸命の作業が続けられている。
日本水道協会によると、27日時点の派遣人数は東京都や名古屋市、神戸市などの自治体や水道事業体の職員が278人、民間の作業員ら354人の計632人に上る。中でも、東京都からは水道の復旧と給水に21日時点で延べ315人が、下水道復旧に延べ116人が派遣されている。給水と上下水道の復旧では、名古屋市が延べ361人(13日時点)を、神戸市も延べ120人(29日時点)を送り込んでいる。
22日、輪島市 鳳至 町の住宅街で、都水道局職員と工事作業員ら13人が配水管の復旧作業をしていた。輪島市では都が佐賀市や広島県呉市などの応援職員と調整し、分担して作業にあたる。
地中に埋められた水道管の破損を調べるには専門のノウハウが必要だ。職員らは特殊な器具で水が漏れ出す音などを聞き取り、破損部位を特定する。漏水箇所を見つけると小型のバックホーやシャベルで慎重に掘る。配水管は地下1・2~1・5メートル付近にあることが多く、1か所の復旧に数時間かかることもあれば、1日で終わらないこともある。
配水管が大きく外れ、流入した土砂で詰まるケースもあった。詰まった箇所を特定するには何か所も掘り進める必要がある。現場で指揮にあたった都水道局の若林孝介・八王子給水事務所長は「通常の漏水修理とはまるで異なる。技術や想像力をもって地道にやるしかない」と語る。
発災初期、派遣された職員らは毎日金沢市から片道約5時間かけて通い、現地での作業は4~5時間しかできなかった。2月中旬からは輪島市で寝泊まりできるようになり、作業時間も2倍近くに増えた。
都水道局職員の男性(50)は「住民が家から出てきて『東京から来てくれてありがとう。これで水が使える』と声をかけられる。住民のため一日も無駄にできない」と士気は高い。
ただ、周囲は応急危険度判定で「危険」と判定された家屋が立ち並ぶ。若林所長は「家が倒壊して下敷きになるリスクもあり、作業は慎重にならざるを得ない。悩ましい」と打ち明ける。
厚生労働省によると、輪島市のほか、珠洲市など5市町でも応援職員らによって、浄水場や送水施設と住宅地をつなぐ水道管の復旧が進められている。3月末までに9割強で断水が解消される見通しだ。厚労省の担当者は「復旧には専門的な知識と経験が求められ、応援がなければ難しい。各地から駆けつける職員や作業員には、本当に頭が下がる思いだ」と話している。
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からの記事と詳細 ( 2万戸近くがいまだ断水、全国の水道局員ら600人超が能登半島へ…専門知識と経験で解消へ奔走 - 読売新聞オンライン )
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