天皇陛下は23日、64歳の誕生日を迎え、これに先立ち皇居・宮殿で記者会見に臨まれた。元日に発生した能登半島地震で「避難を余儀なくされている方が多いことに深く心を痛めております」と述べ、犠牲者への哀悼の意と遺族らへのお見舞いの気持ちを示された。
冒頭、陛下は石川県能登地域について、自身も皇后さまも「それぞれ学生時代に訪れて、思い出深く思ってきた」と説明。避難の長期化で高齢者が病気を悪化させたり、体調を崩したりすることを案じられた。
現地では断水が続くなか、被災者の医療支援や復旧に向けた活動が続く。陛下は「日夜懸命に取り組んでおられる皆さんに、改めて心からの感謝をお伝えしたい」と語り、復興が順調に進むことを願われた。
大きな被害を受けた能登地域の伝統的な文化や産業は「そこに住む皆さんの心のよりどころ」とし、「伝統文化を守り、継承していくための支援も大切」と述べられた。3月下旬で調整が進む被災地訪問については、「復旧状況を見つつ、訪問できるようになりましたら、雅子とともにお見舞いができれば」と語られた。
陛下は5月で即位から5年を迎えられる。この間、各地を訪問する際には「国民の皆さんの中に入り、少しでも寄り添う」ことを目指されてきたという。「皇室が国民のために何をすべきかなどについて的確に感じとれるように」心がけてきたとも明かされた。
昨年、結婚30年の節目を迎えた皇后さまには、「本当によくやってくれている」「助けられることも多い」と感謝し、「この先の人生も引き続きよろしくと伝えたい」と話された。
長女愛子さまは日本赤十字社(東京)への就職が内定した。陛下は希望を聞き「とてもいい考え」と思われたという。「皇族としての仕事も増えてくると思いますが、思いやりと感謝の気持ちを持ちながら、皇室の一員として一つ一つの務めを大切に果たしていってもらいたい」と願われた。
9月に成年を迎えられる秋篠宮家の長男悠仁さまについても、「小さい時から
この1年については、新型コロナウイルスが感染症法上の5類に移行し、「確かな明るさが見える年」になったと振り返られた。印象に残った出来事として、米大リーグの大谷翔平選手や将棋の藤井聡太竜王らの活躍を挙げ、「若い世代が新たな世界を切り開く姿は、明るい夢と希望を与えてくれました」と喜ばれた。
皇居では23日、天皇誕生日の一般参賀が行われる。天皇、皇后両陛下は午前10時20分頃、11時頃、11時40分頃の計3回、皇族方と宮殿のベランダに立たれる。事前申し込みは不要で、希望者は皇居・正門から入る。
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