北朝鮮による拉致被害者の早期救出を求めて実施された13日の「国民大集会」では、救出運動のシンボルである「ブルーリボン」の着用を初めて決議に盛り込み、全国の議員や多くの国民に着用を求めた。家族会などが掲げる「全拉致被害者の即時一括帰国」の実現へ、日本が連帯して解決意思を示す必要があるとし、リボンに思いを託した。
「われわれは諦めるわけにはいかない。なにがなんでも解決するという思いを今回、特にブルーリボンバッジにあてた。バッジとともに、皆で勢いをつけていきたい」。
田口八重子さん(66)=拉致当時(22)=の兄で、家族会代表の飯塚繁雄さん(83)は、集会の冒頭でそう語った。
ブルーリボンは、北朝鮮にいる拉致被害者と家族を結ぶ「青い空」と、日本と北朝鮮を隔てる「日本海の青」をイメージしたもので、被害者の生存と救出を信じる意思表示として広く着用されている。
平成14年に支援組織「救う会」の青年有志が発案。当時は現状のようなピン留めのバッジなどはなく、リボンを切った簡素なものだった。同会関係者は「そのうち、『リボンがほつれる』といった声が届くようになり、バッジも作るようになった。それだけ長い時間、拉致が解決していない証しでもある」と振り返る。
今回の集会では、ブルーリボンに関し、12月10~16日の北朝鮮人権侵害問題啓発週間中、全ての閣僚や国会議員、地方議員らのほか、多くの国民に着用を要望。初めて決議項目に盛り込んだ。
田口さんの長男、飯塚耕一郎さん(44)は「ブルーリボンバッジを着けていると『これは何ですか』と聞かれることがある。まだ拉致への理解が浸透していないことを実感する」と率直な思いを明かす。
決議文では、「親の世代が被害者と抱き合うことなしには、日本の怒りは解けず、支援はあり得ないことを、北朝鮮の最高指導者に伝えることが、今大切だ」と記した。親世代を中心に高齢化が進み一刻の猶予もない現状で、日本が〝一枚岩〟となる必要性は、増している。
めぐみさんの母、早紀江さん(85)はこの日のあいさつで、「娘を13年間しか育ててあげられなかったことは本当に悔しい」と、母親としての悲痛な思いを吐露。「心が結集すれば日本は変わっていく」とし、国民一丸となっての取り組みに期待感を示した。 昨年10月の前回の国民大集会では、同じ日に、めぐみさんの父、滋さんのお別れ会が催された。この1年、新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、拉致問題はこれまで以上に停滞。家族の間には、「風化」への懸念が高まった。 めぐみさんの弟の拓也さん(53)は「あっという間の1年だったが、何も前進していない。いらだちが本音だ」。そして、「自分の家族が被害者だったらどうか。拉致をわがことと捉えてほしい」と改めて国民の理解と協力を求めた。
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