Thursday, November 4, 2021

神戸5人殺傷、被告に無罪判決 刑事責任能力認めない判断 神戸地裁 - 朝日新聞デジタル

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岩本修弥

 神戸市北区の住宅地で2017年、親族や近隣住民計5人を殺傷したとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた無職竹島叶実(かなみ)被告(30)の裁判員裁判の判決が4日、神戸地裁であった。飯島健太郎裁判長は、被告の刑事責任能力は認められないと判断し、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。

 被告は17年7月、神戸市北区の自宅で、同居していた祖母の南部観雪(みゆき)さん(当時83)と祖父の達夫さん(同)を金属バットで殴るなどして殺害し、母親(57)にも重傷を負わせたうえ、近くの民家敷地にいた辻やゑ子さん(当時79)を包丁で刺すなどして殺害。別の民家敷地内の小屋にいた女性(69)にも重傷を負わせたとして起訴された。

 検察、弁護側双方とも、被告が「哲学的ゾンビ」を殺せば知人女性と結婚できる、という妄想を抱いていたという点では一致した。公判では、被告に事件当時、刑事責任能力があったかどうかが争われた。

 検察側は、被告が逮捕直後に「大変なことをした」と話していたことなどから、善悪を判断し、行動を制御する能力は残っていたと指摘。犯行を思いとどまることを期待できる「心神耗弱」状態だったと主張。一方、弁護側は、被告は妄想に支配され、犯行を思いとどまることを期待できない「心神喪失」状態だったとして無罪を求めていた。(岩本修弥)

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