スギ薬局を展開するスギホールディングス(HD、愛知県大府市)の創業者で、愛知県西尾市在住の杉浦広一会長(70)と妻の昭子相談役(67)が優先的に新型コロナウイルスのワクチン接種をできるよう、西尾市が便宜を図った問題。11日の同市の臨時記者会見には、中村健市長や近藤芳英副市長、簗瀬貴央健康福祉部長の3氏が出席した。3氏との主な一問一答は次の通り。
―副市長が便宜を図ったのはなぜ?
近藤副市長「スギHDの会長夫妻には、さまざまな形でご支援をいただいている。何らかの形でお返しができないか考えた。浅はかだった」
―具体的な支援は?
同「スギ薬局の1号店跡地に、健康増進施設『西尾市民げんきプラザ』をお二人のご厚意で建てていただき、建物と土地を2017年4月から市へ無償貸与していただいている。同年5月には、快適な街づくりに向けた包括連携協定をスギ薬局と締結している」
―市長の関与はないのか。
同「公正ではないということを重々承知していたので、中村市長には相談していない。(中日新聞記者から取材を受けた後に)市長に一連の経緯を報告した」
―副市長は辞職する考えはあるのか。
同「自らの責任の取り方については市長と相談する」
―関係者の処分は。
中村市長「現段階では真相究明と再発防止に全力を挙げる。調査後に処分を検討する」
―スギ側とは何回くらい電話でやりとりをしたのか。
簗瀬部長「担当である健康課だけで4、5回はある。私も3、4回は対応したが、何ともならず副市長に相談した。計10回くらいはやりとりしている」
―秘書からの電話は圧力に感じたのか。
近藤副市長「そうだったとの報告を受けている」
簗瀬部長「かなりしつこかった。再三にわたり要請があった」
―市として圧力があったとの認識なのか。
中村市長「報告の内容から判断すると、通常の働き掛けより強いものであり、現場は圧力、プレッシャーと認識していたと考えている」
―やりとりをした簗瀬部長の中で、記憶に残るスギ側の文言はあるのか。
簗瀬部長「さんざん断った後に(スギHD会長夫妻の秘書から)『ご夫妻は薬剤師なので医療従事者に絡められないか』と言われた。『現場で薬局に出ているのか』と聞いたら『経営者なので出ていない』と言われた。それが印象に残っている。現場に立っていないのに、医療従事者にという要請をしてくることに疑問を感じた」
―ほかに便宜を図っている件はないか。
近藤副市長「全くない」
―市民への謝罪は?
同「貴重なワクチン枠を公平な競争でやらず、特別な配慮をしてしまった。公平性を欠くことになり、行政への不信感を募らせた。私が誤った判断をしたことであり、深くおわび申し上げる」
中村市長「会長夫妻は実際には接種にいたっていないが、優先して予約枠を設けたのは、不適切だった。弁解の余地はない」
―10日に副市長が考えを改めた理由は何か。
近藤副市長「(中日新聞)記者からの指摘を受け、その当時に下した判断が誤りだったと認識した。貴重なワクチンを接種するのを止めなければいけないと考え、スギHDへすぐに連絡した」
―庁内の自浄作用ではなく、外部からの指摘を受けて判断を改めたのか。
同「残念ながらそのとおりだ」
―部署内の自浄作用はなかった。
簗瀬部長「担当課である健康課は依頼を断っている。あくまで責任は近藤副市長と私にある」
関連キーワード
からの記事と詳細 ( 【一問一答】「不適切だった」「圧力感じた」「かなりしつこかった」 スギHD便宜で西尾市幹部が会見 - 東京新聞 )
https://ift.tt/3vXuFBn
日本
0 Comments:
Post a Comment