津波注意報発表により、早朝から高台にある南城市役所の駐車場に停車する車=16日午前7時45分、南城市佐敷新里
南太平洋の島国トンガの海底火山噴火により津波注意報が出た16日未明、沖縄県内でも多くの人が高台や自治体の避難所などに避難した。建物に入らず、役場やコンビニエンスストアの駐車場で一夜を明かす人もいた。
津波注意報の発令直後の16日午前0時30分ごろ、海抜70メートル地点にある名護市為又のコンビニの駐車場には地元住民らが次々と車で訪れ、同1時前に駐車場が埋め尽くされた。人々は不安そうにスマートフォンの画面を見つめ、最新の情報を確認していた。
同市宇茂佐の20代男性は寝る直前に津波を知らせるサイレンを聞き、同居人と避難した。「川沿いに住んでいるので不安に思いすぐ逃げようと思った。東日本大地震の記憶もある」と話した。
南城市では午前0時30分、高台にある市役所1階に避難所を開設した。市職員がパーテーションを設置し、10世帯22人が避難所内で夜を明かした。午前7時ごろ、市役所の駐車場には多数の車があり、市民が車内で過ごした。職員によると、一時100台以上が停車していたという。
0歳の息子と車内で待機した女性(32)は「海のすぐ近くに自宅があるため、サイレンが鳴ったのと同時に、高台に避難しようと市役所へ向かった。津波が来ないかとても怖かった」と話した。
家族や職場の同僚と那覇市役所に避難した與那嶺芽さん(23)=那覇市泊=は「東日本大震災のことを思い出し、最悪の事態を想定して行動した」と話した。インターネットやSNSで最寄りの避難所を検索したが、思った以上に時間が掛かったといい「普段から防災意識を持って、情報を集めておく必要があると改めて実感した」と述べた。
(稲福政俊まとめ)
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