熊本県は17日、新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、18日に「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請する方針を固めた。適用された場合の新たな取り組みとして、十分な感染対策を認証した飲食店を、酒類提供の可否や営業時間、協力金の支給額で非認証店よりも優遇する考えだ。
県内では今年に入り、新型コロナの変異株「オミクロン株」とみられる感染者が急増。16日まで過去最多を3日連続で更新し、17日の発表も366人に上った。
県は感染拡大を抑え込むために、まん延防止措置が必要になったと判断。蒲島郁夫知事は報道陣に「18日にも要請する方向で最終調整している」と述べた。
県内への適用が認められれば、感染第4波の5月16日~6月13日、第5波の8月8日~9月30日に続いて3度目となる。
県は対象区域について政府と協議しているが、感染者が最も多い熊本市に加え、県内全域への適用も視野に入れている。
対象区域では、飲食店の営業時間短縮を対策の柱に据える。認証店には(1)酒類を提供せず、営業は午後8時まで(協力金は1日当たり3万~10万円)(2)酒類を提供し、営業は午後9時まで(同2万5千~7万5千円)─のどちらかを選択してもらう。
非認証店には、酒類の提供停止と午後8時までの時短営業を要請し、協力金は1日2万5千~7万5千円とする。
時短要請に応じた飲食店への協力金を巡っては、まん延防止措置が先行して適用された沖縄県で当初、感染対策を公的に認めた認証店より非認証店の方が高くなる運用をしたため、認証店側の不満が噴出した。
これを踏まえ、熊本県は認証店の方が協力金の額などで有利になる運用を明確にする。(潮崎知博)
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