ゴタゴタが続いた野党共闘
立憲民主党の枝野幸男代表は11月2日の党役員会で、代表を辞任する意向を表明した。立憲は10月31日に投票が行われた衆院選で、多くの選挙区で共産党などと候補を一本化して臨んだが、選挙前の109議席を下回り、96議席にとどまった。今後の代表選を巡る動きなどについてレポートする。 【写真】出馬に意欲を目指す面々とは?
政治部デスクによると、 「選挙前に政策集をまとめた著書『枝野ビジョン』を出版し、共産党などとの野党共闘に踏み出した枝野氏はそれぞれに手ごたえを感じていたようですが、蓋を開けると選挙前勢力から議席を10%以上失うという惨敗。党内からその責任を問う声があがっていました」 朝日新聞は《立憲、共闘に一定の効果》と見出しをつけていたが……・ 「そういう声がないわけではないですが、ゴタゴタの方が目立ちましたよね。共産との候補者調整が進んでいない中、9月末になって立憲の平野博文選挙対策委員長が同じ立憲の小沢一郎氏に交渉・仲介役を依頼したんですが、かねて小沢氏とそりが合わない枝野氏は、“聞いていない”と突っぱねたそうです」 その他、自民党の石原伸晃元幹事長が破れたことで話題となった東京8区でも事件は起こっていた。れいわの山本太郎氏が10月8日に立候補を表明したものの、わずか3日で断念に追い込まれた一件だ。
拉致被害者に関する発言や性犯罪関連ツイート
先のデスクが続ける。 「候補者調整を進めていた立憲と共産の執行部にとっては寝耳に水でした。実は都連の幹事長を務める手塚仁雄衆院議員が、“枝野代表ら幹部は同意している”などと山本氏に空手形を切ってしまったのがコトの真相のようです。その後に出馬した立憲の統一候補が当選したから結果オーライとはいえ、小沢氏と手塚氏は選挙区落選、平野氏は比例で復活できず……と、後味の悪さが残りましたね」 最大の支持母体だったはずの連合側も、共産との共闘について、「連合の組合員の票が行き場を失った。受け入れられない」と表明している。 立憲を巡っては、解散直前に生方幸男前衆院議員(千葉6区)が「拉致被害者は生きていない」と発言したり、愛媛4区で立候補予定だった新人が女子高生や幼女に対する好奇心を募らせ、性犯罪につながりかねないツイートをしていたりした結果、出馬取りやめに至るなど、野党共闘以外でも世間の耳目を集めていた。 「少しマジメな方面の話をすると、愛知11区で6期連続して当選中の古本伸一郎氏が解散当日に出馬見送りを表明した件は衝撃が走りました。古本氏は全トヨタ労働組合連合会が推す組織内候補で、去年9月の立憲結成時には参加しなかったものの、立憲の会派入りをしていました」
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