高知市内の中学校のプールで水泳の授業中の小学校児童が溺れた事故で、高知市教育委員会は6日、児童が死亡したことを受けて記者会見を開き、松下整教育長が経緯を説明した。小学校では、保護者への説明会を開く予定だったが、急きょ延期とするなど混乱した。
市教委は、5日の記者会見では、学校名や学年、性別などを明らかにしなかったが、この日は、死亡した児童は市立長浜小4年の男子児童で、近くの市立南海中学校のプールを借りて授業をしていたと公表した。
松下教育長は中学校のプールを使用したことについて、「学校と何度もやりとりした。今となってはほかの方法を取れなかったのか悔やむばかり」と苦渋の表情を浮かべた。監視体制については「結果的に全体を注視することができず、水の中に沈んでいた子どもを教師が見つけられなかった。管理体制の不備を問われても仕方がない」と述べた。
長浜小では6日午後3時から保護者説明会を行うとして全校児童の保護者に連絡。86人が集まったが、同3時30分頃、「遺族に対する経緯の説明や謝罪ができていない中で保護者会を開くのは筋違いだった」として延期を告げた。
同校によると、連絡は5日夜、学校と保護者の連絡アプリを通して配信していたが、亡くなった児童の保護者には開催について説明していなかったという。
同小に集まった保護者らからは「心からの謝罪がない」などと怒号が飛ぶなど混乱。中村仁也校長は「月曜日から児童たちが学校に通うにあたり、保護者に対して経緯を説明するべきだと考えて計画したが、遺族の方に話ができていなかった。順番が違っていたと申し訳なく思っている」と話した。
20歳代の女性は「子どもたちが楽しみにしていたプールでこんなことが起きるなんて。どうして3人も先生がいてこんなことが起きたのか真実を聞きたい」と声を詰まらせた。
低学年の子ども2人が同小に通っているという30歳代の女性は、「今後の対策について保護者として聞くべきだと思って来た。亡くなられた児童の両親に説明もなく保護者会をしようとしていたのかと驚いた」と話した。
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