静岡県熱海市
静岡県によると、起点付近には約5・4万立方メートルの盛り土があり、これを含む10万立方メートルの土砂が流出した。土石流が起きた後の崩れた斜面からは、地下水が勢いよく流れ出る様子が映像などで確認されている。
松岡名誉教授によると、降水量が多く、大量の水が供給されると、土中で「パイプ」のような水みちを形成することがある。パイピング現象は、水みちの処理能力を上回る大量の地下水が流れ続け、土中で水圧が高まった際に起こるという。「限界に達すると一気に進む極めて激しい現象で、土石流の引き金になったと思われる。人為的に水の自然な流れを閉ざせば、水は必ず怒りだす」と話す。
一方、名古屋大減災連携研究センターの研究者チームは、現地で被災状況の調査に着手した。7日は救出活動中だったこともあり、起点付近には近づけなかったが、中流部で土砂の流れた経路などを確認した。
盛り土の崩落原因に関し、チームの利藤房男特任教授(地盤工学)は、起点付近の背後に山林が広がっている状況に着目する。「水が集まりやすい地形。盛り土が地下水をせき止めていた可能性は十分ある」という。その上で「盛り土自体の締め固めや水抜きなどは宅地開発の場合にはしっかりやるが、今回はどういう状態だったのか詳しく調べる必要がある」と語る。
また、チームの田代喬特任教授(河川工学)は中流部について「傾斜がかなり急だった」と指摘。「崩落した盛り土部分の土砂が、ベルトコンベヤーのように谷筋を流れていったとみられる。その際、もともとの谷筋に堆積していた土砂を巻き込みながら、成長して流れ下っていったのだろう」との見方を示した。
名大は他の大学の研究者と連携して、調査団を立ち上げることを検討する。
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からの記事と詳細 ( 盛り土が「水みち」をふさぎ土石流を引き起こしたか 専門家が分析する崩落原因 - 東京新聞 )
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