Monday, October 30, 2023

大人気ベーカリー「アマムダコタン」の新店 小ぶりなサイズ感で日常使いにも/dacō - 朝日新聞デジタル

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軽くてとにかく食べやすい 新開発したバゲット

あっと驚く絢爛(けんらん)豪華な具材をパンにのせた「アマムダコタン」、驚異のエアリーさと口溶けを誇る「I’m donut?」と矢継ぎ早に衝撃を与えてきた平子良太シェフ。次なる一手は「日常」だ。

10月5日、桜新町にオープンした「dacō(ダコー)」。店内に入ると、アマムダコタンさながら、映えるパンがずらっと。いや、さらにかわいさを増している気さえするがいったいどこがちがう? 理由はパンの大きさ。日常使いできるようポーションを小さくし、価格も下げている。パンが好きでよくパン屋を巡っている平子さんらしい配慮がそこにあった。

大人気ベーカリー「アマムダコタン」の新店 小ぶりなサイズ感で日常使いにも/dacō
クロックマダム、雲仙ハムのクロックムッシュ、ツナと焼きナスなど

「本当は二つしか食べられないけど、ちっちゃいぶん三つ食べ切れたらうれしい。パンを買いすぎて家でロスしちゃうって、めちゃくちゃ多いと思うんですよね。正直、僕もしちゃうし。だからそういうのがなるべくないように。ちっちゃいサイズだと、冷凍庫にそのままポンと入れて冷凍もできます」

大人気ベーカリー「アマムダコタン」の新店 小ぶりなサイズ感で日常使いにも/dacō
栗のボストック、いちじくのフルーツサンドなど

パンは、同レシピでそのまま小さくできるほど甘くない。熱が入りすぎ、硬くなったり、乾いたりして、食感が悪くなる。試作を重ね、アイデアを出し合い、その問題をクリアしたという。本当にそうなのか、実際に食べてみよう。

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明太ジェノベーゼ

新感覚の明太フランス「明太ジェノベーゼ」。意表をついた組み合わせだと思ったが、体験した今はちがう。これは王道になるだろう。ジェノベーゼといってもバジルではなく紫蘇。明太ならではのこってりした後味を紫蘇が断ち切る爽快感。注目は新開発したバゲット。軽くてとにかく食べやすい。ばりばりの表面ともっちり感の組み合わせは焼き餅さながら。高加水生地に染み込んだ明太とマヨネーズ、北海道産小麦のミルキーさが溶け合い、喉(のど)で明太ミルク。狂わせるに十分だ。

なぜこんなにバゲットが軽やかなのか。バゲットといえば準強力粉(食パンなどに使う強力粉よりタンパク量の少ない弱めの粉)という常識を覆す。パン職人の佐藤華夏(はなか)さんは語る。

「あえて強力粉の『キタノカオリ』を使うことで、皮が薄くなります。それに2割ぐらい梅野製粉の石臼びき粉(福岡県産『ミナミノカオリ』)も入れて、(コクを加えることで)皮が薄いながらも、噛(か)みしめて旨(うま)みが感じられるように仕上げました」

また、すべての生地に湯ゲル(ベシャメルソースのような水分の多い湯種)を使用。保水効果を上げて、小さくてもしっとり感を維持する。

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カレーグラタン

シグニチャー「ダコタンバーガー」に代表されるバーガー系はどうなっただろう。

「カレーグラタン」を食す。ぶおぶお吹き荒(すさ)ぶスパイスの突風。じりじり響く重低音から、すーすー華やか高音部までスパイスのシンフォニー。ぐいぐい押しまくる旨みの圧が溜(た)まりに溜まる一方、ベシャメルがまろやかにとろけて辛さを癒やしていく。バンズは表面ばりっと、中身はくしゃっと沈む。先述のバゲット同様、極めて軽く食べられる食パン生地から作られている。ダコタンバーガーのバンズが熟成肉といっしょに豪快な食べ応えが楽しめる全粒粉入りのルヴァン生地なのと、対照的だ。

ボストックやハニートーストなどそれ自体完結したパンにさらに、フルーツなど垂涎(すいぜん)の具材をわんさかのせ、「こんなこといいな」と夢を叶(かな)える『ドラえもん』ばりのスタイルは健在。

大人気ベーカリー「アマムダコタン」の新店 小ぶりなサイズ感で日常使いにも/dacō
クイニーアマン焼き芋

「クイニーアマン焼き芋」もそのひとつ。クイニーアマンに、焼き芋をカラメリゼしたハイパー大学芋をのせている。クロワッサン生地ぱりっ、さつまいもふにゅっという食感のコントラストが炸裂(さくれつ)、と同時に芋とバターが出会うことでスイートポテト的快楽が完成する。

コントラストといえば、チョコにチョコを重ねた「チョコレートサンド」に唸(うな)った。ふにんふにんでやわやわな高加水のチョコブリオッシュは想定内だったが、そこにはさまった『Minimal』のチョコレートは岩おこしのようにがりっ、ごりっと小気味よく崩れ去る。放たれるのは、強烈なカカオの香り。ひそかにフランボワーズを仕込んだのかと疑うほどフルーティーだ。

大人気ベーカリー「アマムダコタン」の新店 小ぶりなサイズ感で日常使いにも/dacō
外観

制服もパターンから作ったオリジナル。カウンターはカラフルに合板を重ねた、dacōのためにデザインされたもの。アマムダコタンで用いられてきた一点もののアンティーク家具から変更されたのは、チェーン展開も狙ってだろう。あなたの街の日常をdacōが塗り替える日も近いのかもしれない。

dacō
東京都世田谷区桜新町2-10-17
13:00~売り切れまで

フォトギャラリーへ(写真をクリックすると、くわしくご覧いただけます)
「このパンがすごい!」紹介店舗マップ(店舗情報は記事公開時のものです)

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