任期満了に伴う兵庫県知事選は18日投開票され、総務官僚出身で元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)=自民、維新推薦=が無所属新人5人による争いを制し、初当選した。県政史上初めて自民分裂選挙となったが、5期20年務めた井戸敏三知事(75)の後継として、党方針に反発する自民県議らが支えた前兵庫県副知事、金沢和夫氏(65)をかわした。現在40代の都道府県知事は5人で、斎藤氏は2番目に若い知事となる。就任は8月1日付。
新人同士の争いは2001年以来で、47年ぶりに過去最多タイの5人が立候補した。投票率は41・15%(18日午後10時半時点の確定市町分)と、前回並みとなる可能性が高い。
自民党本部は告示直前、分裂回避を求めたが、最後まで斎藤氏と金沢氏の支持で割れた。菅内閣の支持率が下がる中、近づく衆院選の前哨戦は制したが、党県連内にしこりを残した。
相乗りで支援した維新は、公認候補がトップに就く大阪府市を除き、党本部が推薦した候補が都道府県や政令市の首長になるのは初めて。今後、兵庫と大阪との関係や県政運営への影響力などが焦点となる。
保守分裂や維新の初参戦など、政党による支援の枠組みが注目された一方、新型コロナウイルス対策や歯止めのかからない人口流出、低迷する地域経済の回復など、県政課題の論戦は深まらなかった。
斎藤氏は「県政の刷新」を掲げ、59年にわたり副知事が知事に就く禅譲の系譜を批判。若さと総務官僚としての実績をアピールした。自民の一部県議と国会議員らが支え、党本部は西村康稔経済再生担当相ら閣僚や党幹部らを相次いで送り込んだ。維新代表の松井一郎大阪市長、副代表の吉村洋文大阪府知事も駆け付け、大阪との連携強化の必要性を訴えた。
金沢氏は、県政継承を求める自民県議団の議員や、立憲民主と国民民主の両党県連から支援を受けた。11年に及ぶ副知事としての実績と安定感を強調。県庁OBの組織力をフル回転させ、告示後は井戸氏も積極的に応援に入ったが、禅譲批判をかわせず、井戸路線の継承を求める声は広がらなかった。
元兵庫県議の金田峰生氏(55)=共産推薦=は、県政批判とともに、菅政権との対決姿勢を鮮明に打ち出した。コロナ対策や社会保障の充実を訴えたが、支持は伸びなかった。
元加西市長の中川暢三氏(65)と、音楽塾経営の服部修氏(47)は支持が広がらなかった。(紺野大樹)
【略歴】斎藤 元彦氏(さいとう・もとひこ) 1977年11月生まれ。神戸市須磨区出身。2002年に東大経済学部を卒業し、総務省入省。東日本大震災直後には全村避難となった福島県飯舘村に派遣された。宮城県財政課長や総務省都道府県税課理事官などを歴任。18年から21年3月まで3年間、大阪府財政課長を務めた。
【特集ページリンク】兵庫県知事選2021
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