Sunday, May 23, 2021

アミメニシキヘビ優しく抱いた白輪園長、爬虫類への理解と愛でヒーローに - ニッカンスポーツ

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日本爬虫類両生類協会の白輪剛史理事長は捕獲した蛇を優しく抱きかかえた(白輪氏提供)
日本爬虫類両生類協会の白輪剛史理事長は捕獲した蛇を優しく抱きかかえた(白輪氏提供)
  • アミメニシキヘビを捕獲し、OKマークをつくって喜ぶ日本爬虫(はちゅう)類両生類協会の白輪剛史理事長(2021年05年22日撮影)

爬虫(はちゅう)類業界の名探偵だった。横浜市戸塚区で捜索中だったアミメニシキヘビを発見、捕獲した日本爬虫類両生類協会の白輪剛史理事長(52)。「ヘビ騒動」解決から一夜明けた23日、園長を務める体感型動物園「iZoo」(静岡県河津町)で過ごし、取材にも追われた。

当初から「アミメニシキヘビは熱帯地域に住んでいるので、日本の今の気候では遠くに移動することは考えにくい。28度で飼育するのは、その気温でないと本来の生活が出来ないから。隠れるところもたくさんあるので、逃げたとしても50メートル圏内。建物内にいる可能性のほうが高い」と強調し、解決した。

屋根裏で見つかったことも、必然だった。階段の踊り場天井に、初めて現場に踏み入れた7日にはなかったわずかな隙間が数日後に出来ていることに疑念。これまでも警察などが小型カメラで中をのぞいてはいたが、中に入って自身が目視することを望んでいた。発見前も「屋根裏を最後に、私も捜索を打ち切ります。外はこれほどまでに人海戦術で捜したのだから、天井の上、もしくは横の壁、どちらかにいると確信している」と言い切っていた。みずから管理会社と協議し、隣人への捜索協力も直接交渉。外部から侵入出来る経路を探ることが可能な塗装業に従事する知人も呼んだ。段取りも完璧だった。

飼い主から直接、電話で依頼を受け、静岡から何度も足を運んだ。すべて無償だが、「爬虫類愛好家のために」と尽力を惜しまない。時間差で話を聞きに来る報道陣に何度も同じ質問を繰り返されても、丁寧に同じ答えを反復する器の大きさ。捕獲時には外で待つ報道陣にOKサインを出して知らせるサービス精神も兼ね備えている。愛玩動物としての理解や、魅力を伝える思いもあった。17年には静岡市葵区の住宅から逃げ出したコガネオオトカゲも捕獲した経験もある。

アミメニシキヘビ捕獲後、記念撮影を求める列が発生しても笑顔で応対。17日間も不安と隣り合わせだった住民にとってはヒーローだった。【鎌田直秀】

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