エリザベス英女王の「国葬」(state funeral)が19日に首都ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる。英国の国葬は法律ではなく慣習に基づくもので、国家元首の女王や国王は国葬となる。日本でも安倍晋三元首相の国葬への関心が高まる中、英国の国葬事情をまとめた。
女王の国葬日程 国民へ詳細に公開
「女王のひつぎは13日午後、(女王が死去した)スコットランドから空軍機で飛び立ち、同日夕に(ロンドン郊外の)ノースホルト空軍基地に到着する」「ひつぎは14日午後、ウェストミンスター宮殿に移され、ウェストミンスター・ホールで国葬の日(19日)の朝まで安置され、一般公開される」。英王室は10日、国民の関心事である女王の国葬について、ホームページで日程や場所などを詳細に公開した。
英国では女王や国王以外でも国葬となる場合がある。明確な基準はないが、「際立った功績の人物」(英BBC放送)が対象とされる。過去には万有引力の法則を発見した科学者ニュートンや、英本土侵攻を目指したナポレオン配下のフランス・スペイン連合艦隊を「トラファルガーの海戦」で破ったネルソン提督も国葬となった。
最近では第二次大戦を勝利に導いたチャーチル元首相も1965年に国葬が行われたが、英メディアによると、王以外の人物を国葬とする場合、王室と議会の同意が必要という。
一方、王以外の王室メンバーや首相経験者らは国葬に準じる「儀礼葬」(ceremonial funeral)が多く、ダイアナ元皇太子妃やサッチャー元首相は儀礼葬だった。また、エリザベス女王の夫のフィリップ殿下が昨年4月に99歳で死去した際も儀礼葬だったが、新型コロナウイルス流行下だったため、近親者約30人だけの小規模な葬儀となった。
エリザベス女王の国葬にかかる費用は不明。英メディアによると、最近の王室の葬儀では、エリザベス女王の母エリザベス皇太后が2002年に101歳で死去した時の儀礼葬は540万ポンド(約8億9000万円)かかったが、その多くは警備に関する費用だったという。【ロンドン篠田航一】
からの記事と詳細 ( 英国「国葬」事情 ニュートン、チャーチルも…王以外は議会同意必要 - 毎日新聞 - 毎日新聞 )
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