16日告示される衆院3補欠選挙を巡って、自民党は東京15区と長崎3区で独自候補を擁立できなかった。事実上の与野党一騎打ちとなる見通しの島根1区の勝敗が岸田文雄政権の浮沈を占う。派閥パーティー収入不記載事件で逆風が吹く中、自民は総力戦で臨む構えだ。
「政治の信頼回復への取り組みと、経済再生の実感を国民に届ける具体策、内外の諸課題への答えを出す実行力を訴え、全力で戦いたい」
首相は15日の自民役員会で、補選への意気込みを語った。
同日昼には官邸で公明党の山口那津男代表と会談。事件を受けた政治資金規正法改正を巡って、近く自民、公明両党幹事長が協議する方針を確認した。
自民は3補選に関して「非常に厳しい状況」(茂木敏充幹事長)とみている。公明との協議を進めることで、争点の1つとなる政治改革に前向きな姿勢を打ち出す狙いがあるとみられる。
自民が唯一、公認候補を立てる島根1区補選は細田博之前衆院議長の死去を受けて行われる。保守王国として知られてきたが、細田氏は不記載事件などへの接点が指摘され、激戦となる見通しだ。
16日の出陣式には小渕優子選対委員長が駆け付けるほか、首相も21日に島根入りする方向だ。(永井大輔)
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