離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案は、12日の衆院法務委員会で一部修正の上で与野党の賛成多数で可決された。協議離婚する父母が共同親権を選択する際に「父母双方の真意」を確認する措置を検討する規定を付則に加えることなどで与野党が折り合った。修正案は16日にも衆院を通過し、今国会中に成立する見通しだ。
採決では、修正で合意した自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党が賛成し、共産党は反対した。小泉法相は採決に先立つ質疑で「父母が協力して子どもを養育する。子どもの利益を確保する観点から(民法の)規定を見直す意義は大きい」と改めて強調した。
改正案は、離婚後の親権者を父母の一方に限る「単独親権」のみを定めた現行法を見直し、父母が合意した場合は共同親権も選択可能とする内容だ。合意できない場合は家庭裁判所が親権者を判断し、DV(家庭内暴力)や子どもへの虐待など「子の利益を害する」場合は単独親権に決める。
4党の修正協議では、DVなどで父母が対等な立場で協議できず、共同親権の合意を強制される恐れがあるとの立民などの指摘を踏まえ、付則に「親権者の定めが父母双方の真意であることを確認する措置について検討を加える」と明記した。共同親権下でも子どもと同居する親だけで決められる「急迫の事情」がある場合や「日常の行為」の内容について、政府が国民に周知することも求めた。
改正案は今国会で成立すれば2026年度までに施行される見込みだ。付則には、法施行後5年をめどに制度などを再検討することなども盛り込んだ。法務委では、「急迫の事情」などをガイドライン(指針)で明確化することや、家裁が親権を判断するため、裁判官の増員など体制拡充を求める付帯決議も採択した。
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