全国で相次ぐ強盗事件などを巡り、フィリピンの入管施設に収容されている日本人の男性4人が「ルフィ」などと名乗る指示役の人物の可能性があるとして、日本の警察当局がフィリピン当局に身柄の移送を求めていることが捜査関係者への取材で判明した。この4人は別の特殊詐欺事件に関与したとして窃盗容疑などで逮捕状が出ており、日本の警察当局は特殊詐欺事件を調べた上で、一連の強盗事件との関連も捜査する。
捜査関係者によると、逮捕状が出ているのは渡辺優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4人で、2019年にフィリピン・マニラにあった日本人の特殊詐欺グループの拠点が摘発された事件に関与した疑いが持たれている。
この事件では、フィリピン入管当局が19年11月、日本の警察当局からの情報提供を受けて日本人36人を不法滞在の疑いで拘束。特殊詐欺の電話をする「かけ子」だったとされ、警視庁は21年7月までに全員を日本に移送するなど、国内にいたメンバーを含めて計約70人を窃盗容疑などで逮捕した。
しかし、今回関与が疑われる4人はフィリピンで逃亡を続けていた。捜査関係者によると、4人は組織内ではフィリピンでかけ子だった36人より立場が上だったといい、指示役だった可能性がある。
一方、東京都狛江市で発生した強盗殺人など昨年10月以降に8都県で起きた14件の強盗事件は同一グループが関与した疑いが浮上。SNS(ネット交流サービス)で実行役を募り、匿名性の高い通信アプリを使ってメンバーを入れ替えながら事件を起こす手法は、特殊詐欺の手口と共通するとの指摘があった。
さらに、その後の捜査で、このグループの指示役とみられる「ルフィ」を名乗る人物が実行役に電話した際、発信元の国番号がフィリピンを示す「63」だったことが分かった。警察当局が捜査を進めたところ、19年に拠点が摘発された特殊詐欺事件で逮捕状が出ている4人がフィリピンの入管施設に収容されていることが判明。4人がそこから日本にいる実行役に強盗事件の指示を携帯電話で出していた疑いが浮上した。関係者によると、この施設は電話などを自由に使える環境だったとみられる。【松本惇、林田奈々】
からの記事と詳細 ( 強盗指示役「ルフィ」 フィリピンから移送へ 別の詐欺事件で逮捕状 - 毎日新聞 )
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